2007-02-06

難読辞書編集者

退屈男さんの記事で、見坊豪紀の読み方を覚えるのにサッカーの中田英寿と結びつけるという話題。

私は、中学校の時に買ってもらった新明解国語辞典(第何版か書くと年齢がわかるのでパス)の奥付に書いてあった仮名表記で覚えたので、この名前は昔から読めた。しかし、日本国語大辞典の松井栄一(まつい・しげかず)は長い間「えいいち」だと思っていて、正しい読みを知ったのは比較的最近のことだった。広辞苑の新村出(しんむら・いずる)も「にいむら」と読んでいたことがあった。

新明解漢和辞典の長澤規矩也(ながさわ・きくや)は、読みを一度知れば素直に読める。(ちなみに、この先生の書誌学の教科書を1年ほど前に古本屋で買った。)
別に難読とは言えないが、漢字源の藤堂明保(とうどう・あきやす)は、何となく音訓ごちゃまぜで「ふじどう・あきほ」と読みたくなってしまう。

木村・相良独和辞典の相良守峯(さがら・もりお)は、目で覚えてしまったので、読みを知らなかったというより読もうとしなかった。「峯」が「峰」の異体字だと知っていてもなかなか読めない。

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2006-11-15

敬愛なる

ふと思ったのだが、『敬愛なるベートーヴェン』という映画の「敬愛なる」って正しい言葉なんだろうか?
辞書(大辞林)を見ると、

【敬愛】 (名)スル

としか書いていない。ならば、

【親愛】 (名・形動)スル[文]ナリ

とあるように、「親愛なる」という言い方が可能なのはなぜか?

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2006-10-28

そんじょ

山岸教授の日英語サロンで、「そこらそんじょの」という誤用の問題をとりあげている。

最初、「そんじょそこらの」が正しいと知った上での言葉遊びかと思ったが、使用例を見ると本当に間違えて覚えているようでもある。「しだらない」を「だらしない」とひっくり返したのが定着したように、これも定着する日が来るのだろうか。

ちなみに、辞書を引いてみると、「そんじょ」は、「その定」→「そんじょう」→「そんじょ」と転じたもので、

「それ」「その」「そこ」などの語の上に付いて,具体的な名をあげずに,不特定の人・場所・事柄などを表すのに用いる。
<大辞林第2版「そんじょう」の項>
とある。

そういえば大辞林第3版が出た。三省堂本店の各階に山積だった。

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2006-08-27

大辞林 第3版

三省堂『大辞林 第3版』の予約受付中。箔押しの名前が入れられることと、ルーペが付いてくるのが、予約特典。名入れ辞典はちょっと集めているが、自分の名前を入れようとは思わない。

ルーペとは、それが必要なほど密度が高くなっているということなのか。「11年ぶりの全面改訂版」という以外、情報がないのでわからない。普通、「新語○○項目」とか改訂内容の宣伝するものなのに、おまけだけが売りか?
第2版は23万3000語だったのに対し、随時更新のWEB版『スーパー大辞林』は25万語になっているそうだが、それがほぼそのまま第3版になるのだろうか?

「冥王星」「惑星」などをどう処理しているか、出たら真っ先にチェックの対象になりそう。

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2006-07-21

研究社の国語辞典

研究社の辞典といえば英語に決まっているようなものだが、古本屋で「研究社国語新辞典」(福原麟太郎、山岸徳平主幹、研究社辞書部発行)を見つけた。奥付は、昭和27年初版、昭和30年第4版となっている。国会図書館などの書誌データでは書名が「ローマ字で引く国語新辞典」となっているが、入手したものは、表紙、奥付などどこを見ても「研究社国語新辞典」が書名としか思えない。(ただし、ジャケットの惹句として「近代人の座右宝!ローマ字で引く最新国語辞典」と書いてある。)あるいは、初版の後、書名変更があったのかも知れない。

(8月11日追記)実は初版も持っていたことに気づいた。題名はやはり「ローマ字で引く国語新辞典」だった。細かい点は分からないが、ざっとみる限りでは第4版と内容に差はないようだ。

誰か(今思い出せない)が、言葉の細分化された意味を知るには国語辞典より和英辞典の方が役立つ、という趣旨のことを書いていた。この辞典は、50年以上前にそのことに気づいて国語辞典を和英辞典風に仕立てたものだと言える。意味の的確な分類という点では、多分当時の国語辞典にはない斬新さがあったのだろうが、それぞれの意味に英語を対応させたのは、果たして成功しているのか。英語によって意味を定義しているわけでもなく、本当の和英辞典として使えるわけでもなく、ちょっと中途半端な感じがする。

上記のような意図であるならば、言葉の辞典に徹すればよいと思うのだが、いわゆる百科項目も妙に充実している。「行動主義」なんて、12行も費やして説明しているし、「カチューシャ」の項の脚注では、歌詞引用までして「カチューシャの歌」を説明している。「ガーター勲章」(これも脚注)も、造りやら逸話やら小型辞書とは思えない細かい説明が与えられている。

とにかく、眺めていて面白い辞典なので、どこかでまとめて紹介したいものだ。

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2005-09-04

研究社中辞典はアンチ巨人?

前の記事で、研究社の中辞典の最新版もチェックしたい、と書いたが、研究社新英和中辞典第7版・新和英中辞典第5版のCD-ROM版を入手したので、検索してみた。

阪神関係では、

■おさえこむ[押さえ込む] ▽完全に阪神を抑え込んだ.

と悪いのもあるが、

■えんせい[遠征] ▽高校野球が開催されている 2 週間は, タイガースは遠征試合となる.
■かざる[飾る] ▽タイガースはシーズンの最後を見事な勝利で飾った.
■りゅういん[溜飲] ▽久しぶりにタイガースが優勝して大いに留飲を下げた.
■フレー ▽フレー,フレー,タイガース.
■edge ▽タイガースはジャイアンツに辛勝した.

とまずまず好意的。研究社の中辞典では、日本語には現れないが用法を示すために固有名詞を例示している場合がある。そういう例では、

■しょうりつ[勝率] ▽《the Tigers'》 winning percentage
■スタメン ▽《be in, be dropped from》 the 《Tigers'》 starting lineup
■たいせん[対戦] ▽対戦成績 the won-lost record between 《the Carp and the Tigers》
■ドラフト ▽the player at the top of 《the Tigers'》 draft list; the 《Giants'》 No. 1 draft choice [pick].
■ほんきょ[本拠]▽ 《the Tigers'》 home (field).
■いせき[移籍] ▽be traded [transferred] 《to the Tigers》
■いちぐん[一軍] ▽the 《Tigers'》 first team
■やきゅう[野球] ▽野球試合 a baseball game 《between the Giants and the Tigers》
■ゲーム ▽ゲーム差 be 2 and a half games ┏ahead of [behind] 《the Tigers》

と、内容的には中立的といってよいだろう。

研究社中辞典では、むしろ、以下のように、巨人に対してのアンチぶりが目立つ。

■キラー ▽巨人キラー
■だとう[打倒] ▽選手は打倒ジャイアンツを目標に一丸となって戦った.
■-い[…位] ▽第 4 位の the fourth-place 《Giants》
■おさえこむ [抑え込む] ▽keep 《the Giants》 from scoring;
■かんぷう[完封] ▽whitewash 《the Giants》.
■しょうり[勝利] ▽score a victory 《over the Giants》
■れんぱ[連覇] ▽win [get] 《three》 successive [straight] victories over 《the Giants》;
■defeat ▽ジャイアンツはスワローズに負けた.
■down ▽ジャイアンツは 2 点負けている

巨人に好意的な例は、

■おうて[王手] ▽巨人はきのうの勝利で優勝に王手をかけた.
■ファン ▽ジャイアンツのファン

くらい。中立的なものとしては、

■エース ▽the 《Giants'》 ace pitcher;
■たいせん[対戦] ▽play 《the Giants》
■なりもの[鳴り物] ▽鳴り物入りで巨人に入団した.
■ドラフト ▽the 《Giants'》 No. 1 draft choice [pick].
■ミスター ▽ミスタージャイアンツと呼ばれる be known as "Mr. Giants"
■with ▽彼は昔ジャイアンツの野球選手だった.

があった。


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2005-08-20

阪神びいきの和英辞典

「ジーニアス和英辞典は阪神タイガースびいき」というネタを、8月17日放送のトリビアの泉でやっていた。大修館書店販売部瓦版によれば、8月5日のズームインSUPERでも取り上げられたそうだ。

ジーニアス和英辞典第2版の CD-ROM版で「タイガース」または「阪神」を全文検索してみた。

■あつい[暑い, 熱い] ▽彼はタイガースのこととなるとすぐに熱くなる
■おうて[王手] ▽タイガースはセ=リーグ優勝に王手をかけた
■おえる[終える] ▽彼は阪神タイガースのグランド整備員としてその生涯を終えた
■おどりでる[躍り出る] ▽タイガースは4連勝してセ=リーグの首位に躍り出た
■かたい[固い, 堅い, 硬い] ▽タイガースの優勝はかたい
■くちぶり[口ぶり] ▽彼は阪神タイガースの監督のような口ぶりだった
■こうげき[攻撃] ▽5回裏のタイガースの攻撃は赤星の二塁打で始まった
■さんれん[三連] ▽タイガースは三連勝した
■しあい[試合] ▽タイガースは来週東京で試合をします
■すべりだし[滑り出し] ▽タイガースは今シーズン好調な滑り出しを見せた
■せんしゅ[先取] ▽タイガースは片岡のソロホームランで1点を先取した
■たい[対] ▽ライオンズ対タイガースの試合
■たいしょう[大勝] ▽阪神が巨人に大勝した
■ちょうし[調子] ▽4連敗後, 阪神タイガースは本調子に戻りつつある
■つづく[続く] ▽阪神タイガース優勝セールの行列がデパートまで2キロも続いていた
■-で ▽タイガースは来週東京で試合をします
■とうだ[投打] ▽投打がかみ合ったタイガースは6連勝した
■どくそう[独走] ▽タイガースが首位を独走している
■ぶっちぎり ▽阪神タイガースは今シーズンぶっちぎりで優勝した
■ぽんぽん ▽タイガースの6選手がぽんぽんとホームランを打った
■まちがいない[間違いない] ▽タイガースが試合に勝つことは間違いない
■もうこう[猛攻] ▽この回タイガースは打者10人の猛攻で5点を取った
■ゆうしょう[優勝] ▽タイガースが優勝した
■よろこぶ[喜ぶ, 悦ぶ, 慶ぶ] ▽阪神タイガースがセリーグ優勝をして関西ではどこでも皆が大いに喜んでいた
■りきとう[力投] ▽上原の力投空しくジャイアンツは2対1でタイガースに敗れた
■わきかえる[沸き返る] ▽阪神タイガースのセ=リーグ優勝で関西中が湧き返った

以上の一部は、ジーニアス英和辞典第3版にも収録されているが、英和にだけ現れた例として

■draft ▽私がタイガースにドラフトで指名された時は,父にとって人生最良の日であった 〔CD-ROM版だけに含まれる「用例プラス」収録〕
■tie ▽シーズンの終りには,我々はタイガースとタイだった
■play ▽ジャイアンツがタイガースと対戦している 〔和英の例文ではドジャースと対戦〕

があった。ジャイアンツについては、

■かんぷう[完封] ▽3対0でジャイアンツを完封する
■ふるす[古巣] ▽彼は古巣のジャイアンツを相手に完封勝利を収めた
■slow ▽ジャイアンツは開幕から3連敗と出だしは調子が出ていなかった

と厳しい例文がある一方、

■しゅい[首位] ▽ジャイアンツは5ゲーム差をつけてセントラルリーグの首位を走っている
■cheer ▽「どのチームを応援しているのですか」「ジャイアンツです」
■Mr. ▽ミスターアメリカ[ジャイアンツ].

という好意的なものもあった。他のチームはあまり出てこないが、

■おいあげる[追い上げる] ▽スワローズはラミレスのソロホームランで4対3と追い上げた
■スライド ▽雨で中止となった火曜日の試合に先発予定だった上原が, 水曜日のスワローズ戦にスライド登板する
■ドラフト ▽彼は2003年のドラフトでのジャイアンツの1巡目指名選手だった ▽ドラゴンズのドラフト1巡目指名選手
■なん―[何―] ▽ドラゴンズは今セリーグで何位ですか
■あいしょう[相性] ▽今シーズンの松坂はホークスに相性が悪い
■きしかいせい[起死回生] ▽彼のホームランはホークスにとって起死回生の一発だった
■こうばん[降板] ▽斉藤はホークスが5対1とリードした8回に降板した
■つうだ[痛打] ▽松坂は昨夜のホークス戦で痛打を浴びた
■どうりつ[同率] ▽ライオンズとホークスは同率で首位に立っていた
■いっし[一矢] ▽バファローズは9回に中村のホームランで1点を返してなんとか一矢を報いたものの, ライオンズに1対5で敗れた
■てんらく[転落] ▽連敗したライオンズは2位に転落した

と特段のひいきはないようだ。
ジーニアス大英和辞典も見てみたが、タイガース自体それほど出てこないし、

■sweep ▽タイガースとの3連戦に3連勝する

という逆の例もあった。
研究社の新和英大辞典第5版では、

■アウト ▽タイガースはノーアウトでランナー二塁, 三塁だった.
■あぶなげない[危なげない] ▽タイガースは危なげない試合運びで勝った.
■おしまくる[押し捲る] ▽昨日の試合はタイガースが一方的に押しまくって勝った.
■かつ[勝つ・克つ] ▽タイガースはジャイアンツにあっさり勝った.
■おどりでる[踊り出る・躍り出る] ▽タイガースは 5 連勝してとうとう首位に躍り出た.

など、ひいきした例文も多いが、逆に、

■せんしゅ(とく)てん[先取(得)点] ▽タイガースは先取点をあげたが, たちまち追いつかれた.
■だげき [打撃] ▽タイガースの打撃はまったく振るわなかった.
■とうだ[投打] ▽タイガースは投打ともに精彩を欠いて 3 連敗.

なども採用してバランス(?)をとっている。
少し版が古いが、研究社新英和中辞典第6版・新和英中辞典第4版では、

■clob ▽タイガースはジャイアンツに圧勝した.
■edge ▽タイガースはジャイアンツに辛勝した.
■かざる[飾る] ▽タイガースはシーズンの最後を見事な勝利で飾った.
■たい[対] ▽タイガースは 4 対 3 でジャイアンツを破った.
■フレー ▽フレー,フレー,タイガース.
■えんせい[遠征] ▽高校野球が開催されている 2 週間は, タイガースは遠征試合となる.
■defeat ▽ジャイアンツはスワローズに負けた.
■down ▽ジャイアンツは 2 点負けている.

と、結構なタイガーズびいき、アンチジャイアンツぶり。最新版もチェックしてみたい。

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2005-03-19

OED

念願の Oxford English Dictionary (Second Edition) on CD-ROM Version 3.1 を購入。日本で買うと 55,000円はするが、米国の abebooks (古本サイト)の登録業者から購入すると送料込みで23,000円ほどで買えた。ただ、brand new と書いてあったのに、シュリンクパッケージが開封されていた。また、プラスチックケースのCDを保持する爪のほとんどが折れていたのは、もともと製造不良なのだろうか。しかし、CDそのものには傷はなく、正常に動作したので良しとしなければならない。

使ってみると結構はまる。OEDなんて、英語学か英文学の専門家でもなければ持っていても意味がないと思っていたし、実際そうなんだろうが、CD-ROM版は素人でも十分遊べる。例えば、日本語起原の単語をすべて検索するなんてことも一瞬でできるので、これを眺めるだけでも面白い。また、単語の出現文献の年代が、年表のような簡単な図で表示されるのを見るのも楽しい。楽しいで終わるだけが素人なんだけど・・・ e-mail とか internet のような比較的新しい単語もいつごろから使われだしたかが分かる。

音声や画像データもないのに1.7GB(フルインストールの場合)のHDD容量が必要。 3分の2以上はインデックスのようだが、そのおかげで検索は速い。

小学館の日本国語大辞典も早くこういうCD-ROMを出して欲しいものだ。

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2005-03-13

ナポレオン辞書

napoleon2
napoleon1

古本屋で、『ナポレオン辞書』というものを見つけた。1,000円の値がついていた。

奥付には、「学研 国語辞典(ナポレオン辞書)」「非売品」「昭和58年3月20日 改訂新版 第11刷発行」と書いてある。表紙には「モリタ」の金押しロゴ(現在のものとは異なる)、扉には「森田薬品工業」の文字があり、さらに最終ページには、「頭脳のための栄養」の題でビタミンなどの効能を説いた記事が印刷してある。

なぜ『ナポレオン辞書』かと言えば、「不可能」の項があるはずの場所が空白になっているからだ。ただし、巻頭には、「ナポレオン(字ではなく肖像)の辞書には【不可能】という文字はない。」という言葉と、本来の「不可能」の項目内容が横書きで書いてある。この点以外は、中学生向けの普通の学習辞典だ。

おそらく、森田薬品工業だけのためにこのような辞書を作ったのではなく、手の込んだ名入れ商品として複数の企業バージョンがあるのだろう。

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2004-11-26

新明解国語辞典

『新明解国語辞典 第6版』の中吊り広告を電車の中で見た。語釈のイキの良さを宣伝するために、「好人物」の項を取り上げていた。まだ第6版を買ってないので、第5版から引用すると、

こうじんぶつ【好人物】 気立てがよくて、相手に好感を与える人。〔俗に、人のいいのだけが取り柄で、ものの役に立たない人の意にも用いられる〕

とある。広告に載っていた第6版のも同じだったと思う。括弧内の部分が自慢なのだろう。

が、ちょっと待てよ。私自身は、そういう皮肉な意味で「好人物」という言葉を使ったことも聞いたこともない。その意味なら、「いい人」または「いい奴」がよく使われているのではないだろうか。似ているが別の言葉だ。もちろん、私の貧弱な個人的言語体験なんかより、ずっとちゃんとした根拠があってこの語釈を与えているのだろうとは思うが・・・

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