« 話題沸騰?「カバー、おかけしますか?」 | トップページ | 今日のお弁当 »

2005-02-04

菩提樹はさざめく

『菩提樹はさざめく』(三宅幸夫著、春秋社)とういう本を読んだ。昨年末の出版広告で気づいてはいたが、読売新聞の紹介記事を読んで、買わなければと思った。

連作歌曲集『冬の旅』の評論であるが、帯に「ヴィルヘルム・ミュラー&フランツ・シューベルト/冬の旅/詩と音楽の協働」と書いている通り、一般には凡庸な詩人と評価されてきたミュラーの詩にも音楽と同等の敬意をはらっている。著者は、まず詩を丹念に読み、次に音楽を分析して、作曲家が詩から何を読み取り何を切り捨てたかを明らかにしていくという姿勢を貫く。

第17曲『村にて』で、シューベルトは当時の流行オペラの旋律を引用して皮肉なメッセージを送ったという。これも、シューベルトの一面を示すものとして興味深い。

『冬の旅』について、吉田秀和は「青年のときは別だが、大人になってしまったあと、この曲はいつ聴いたらいいのだろう?」(『シューベルト賛』吉田秀和作曲家論集第2巻所収、音楽の友社)と言ったが、逆に、年をとらないとこの曲にまともに向かい合えないのではないかと思う。『菩提樹はさざめく』の著者も、59歳にして「最近ようやく、シューベルトの音楽に人間存在そのものの痛みを感じるようになった」のだから。

|

« 話題沸騰?「カバー、おかけしますか?」 | トップページ | 今日のお弁当 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27461/2798682

この記事へのトラックバック一覧です: 菩提樹はさざめく:

« 話題沸騰?「カバー、おかけしますか?」 | トップページ | 今日のお弁当 »